今回は車高調の選定について考える。純正の足回りのまま3年弱GR86に乗り続け、少ないながらもサーキット走行も楽しむと、純正の弱点(不満点)が目につくようになる。
初回の車検を区切りに、足回りの変更をしたいと思っているため、今回はGR86の足回りの弱点を考察するとともに、弱点を補うための車高調の条件について検討する。
純正の足回りについて
観点として、以下の3点を挙げて論じたいと思う。
- 快適性
- 挙動のつかみやすさ
- 旋回性
まずは純正の足回りについて。納車直後の感想は「意外と快適」だった。多少の突き上げを感じるものの、ロールが少ない分むしろ快適な印象を受けていた。嫌なノイズもなく、助手席に乗った友人達も、一様に快適という感想を漏らしていた。短い距離だけでなく、2~4時間の長距離でも振動や突き上げを不愉快に感じることはなかった。快適性については、問題がないと言える。
しかし、しばらく乗っていくと、どうしても突き上げが気になってくる。特に大きな段差を超えたとき、ダンパーが底をついてブッシュに当たっているような(ブッシュで受け止めているような)感じを受ける。おそらくダンパーが柔らかすぎるのだろう。
挙動のつかみやすさについては、納車から今まで不満を感じることはない。公道でもサーキットでも、限界(というほど攻めたことはほとんど無いが)がわかりやすく、車と対話しながらコーナリングをすることができるような気持ちになる。この点は非常に出来が良い足回りなのでは無いかと思っている。
最後に旋回性。公道ではノーズがどんどん入っていくような感覚を受けるため、非常に気持ちよく曲がることができる。しかし、サーキット走行になるとやや違った印象になる。特に鋭角のコーナーで顕著になる気がするのだが、コーナーの外に流されるような感覚がある。下手だから、という一言で済まされるような気もするが、コーナーの外に流される感覚は、どうも快適性のところで指摘した、ダンパーの柔らかさとも関係があるように思う。
ダンパーが柔らかいため、Out側にロールし、結果的に流されたような印象を受けるのかもしれない。サーキットで数周もすると車酔いで休憩をしないといけない現状も踏まえると、ロールの影響は確かにあるのだと思っている。
ここまでの記述をまとめると、「公道だけなら多少の突き上げを我慢すれば快適、ただしサーキットだとちょっと柔らかい」ということになる。公道もスポーツ走行も対応可能な、最大公約数的な脚を作ろうとした結果たどり着く量産スポーツカーの限界と言えるのかもしれない。
美点と弱点を踏まえた対策
上記まとめると、美点は
- 素直でわかりやすい挙動
弱点は
- 不快な突き上げ
- ロール(特に縮み側?)
になる。以下に美点を残したまま弱点を補うことができるか?そもそもそんな車高調はあるのか?ロールの解消と突き上げの増加はトレードオフになるというのが一般論のような気もする。
長くなってしまったため、実際の車高調の選定は次の記事にまとめたいと思う。後編に続く。
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