GR86のシートをBRIDEのZETA Ⅳに交換してからおよそ1年経つ。レビューを一言でまとめるなら、「長距離ドライブこそフルバケ」。今回の記事では純正シートと比較しながらレビューする。
なぜ変えたか?純正シートの弱点
まずは純正シートからなぜ交換したのか。それは、サーキット走行時のホールド感を高めたかったの一言に尽きる。何度かサーキットでの走行を重ねたときに感じた最大の課題は、横Gがかかったときに体が動くことだった。シートの中で体が動けば、視点だけでなくハンドルやペダル、シフトの位置まで代わってしまう。比較的細身の体型のため、純正シートのホールド力不足が目立ってしまった。
そこで、シートの交換の検討を始めた。はじめはリクライニングもできるセミバケも考えたが、いかんせん価格が高く、断念した。ある程度手頃で、車検にも対応したフルバケを探したところ、定番のBRIDEのものに落ち着いた。
シートの選択:ZETAかZIEGか
BRIDEのフルバケにすることにしたが、最後にZETA Ⅳにするか、ZIEG Ⅳにするかの二択を迫られた。最後は試座によってフィット感を確認し、ZETA Ⅳを選択した。ZIEG Ⅳは若干猫背気味で座る感覚に違和感があった。猫背気味になるため、アイポイントをより下げられるメリットはあったが、普段遣いも考えれば、デメリットのないものを選択すべきと考えた。
最も重要視していたフィット感については、どちらも問題なかった。さすが日本設計というべきか、まるで誂えたかのようなフィット感で、シートの中で動く気配は微塵も感じられなかった。
シートレールは最も座面が下がるLFタイプにした。
シートの取付はDIY
シートの取り付けはDIYで実施した。シートベルトのセンサーを不通にするカプラーと、シートを固定するボルト4本の付け外しだけで完了してしまうことが分かったため、手軽に交換できることが分かったからだ。
上の画像の通り、前は2本のボルトで留まっている。同様に後ろも2本。これらを外すだけでほぼ取り外しは終わる。
実際、シートの交換は2時間もかからずに完了した。シートレールが滑らかに動かない問題はあったものの、普通に使う分には困らないし、安全上問題があるわけでも無いため、今回は追い込まないことにした。
1点注意したいのは、シートレール取り付けの際は必ずトルクレンチを使って取り付けトルクを管理すること。万が一走行中にボルトが緩み、シートがハズレた場合は事故につながる。
取り付け直後の感想
取り付け直後に座ってまず感じたのはホールド力の高さ。体の側面だけでなく、肩もしっかりホールドされるため、ハンドルの操作感も上がった。座面の傾斜も絶妙で、ペダル操作の際に脚に変な力がかかることがなくなった。
一点意外だったのは、アイポイントが全く下がらなかったこと。純正シートに比べれば、幾分下がると思っていたが、ほぼ変わらなかった。アイポイントの低さで言えば、純正シートは相当優秀なことを確認出来た。
サーキット走行
取り付け後、すぐに袖ケ浦で試した。想定通り、横Gがかかるシチュエーションでの体のブレがなくなり、操作感が向上した。体が動かない事により、路面からの情報もわかりやすくなり、非常に走りやすくなった。これで当初の目的を達成できた。
長距離移動
サーキット走行時の問題は解消され、シートを導入した目的は達成された。一方、想定外のメリットも発見した。それは、長距離を走ったときの疲労の小ささ。
これまで、3日間で福島や栃木を回る1000 km弱の旅行や、長野を巡る200~300 km程度の移動を行ってきたが、これまで感じていた疲労がほとんどなく快適であった。
シートが硬くなったため、むしろ疲れは溜まるかと思っていたが、どうやら姿勢を保持し、体重が分散される効果のほうが大きかったようだ。
まとめ
今回はBRIDEのZETA Ⅳのレビューを書いた。もともとサーキット走行のために購入したが、日常使いでもメリットがあることが分かった。長距離、短距離問わず、快適なドライブを約束してくれる。
購入を悩んでいる方がいれば、ぜひ言いたい。シートは買って損はない。迷わず買うことをおすすめしたい。
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