この記事を読むことで、以下の項目を理解できる
- ストレーナー詰まりとエンジンブローの関係
- おすすめのオイルパンバッフルプレート
なぜGR86やBRZのストレーナー清掃をし、オイルパンバッフルプレートを装着するのか?
GR86やBRZは発売当初からエンジンブローの報告が相次いでいる。原因はオイルパンに混入した液体ガスケットの破片が、ストレーナーに詰まるため、あるいは走行中の急な姿勢変化により、エンジンオイルに偏りが生じるためと言われることが多い。
多くのユーザーが、事前の対策としてオイルパンを開放し、ストレーナーの詰まりを清掃してきた。合わせて、オイルパンバッフルプレートの装着も実施している。
ストレーナー詰まりが原因なら、なぜトヨタやスバルはリコールをしないのか?多くのユーザーが疑問に思っていることと思う。また、オイルパンバッフルプレートと一口に書いているが、実際は各社様々な形状のものを発売している。種類が複数あるということは、それぞれ設計思想が異なり、エンジンブロー問題に対する対策の効果も異なることになる。
そこで、今回の記事では、ストレーナーの詰まりとエンジンブロー、オイルパンバッフルプレートの種類とおすすめの製品を私見の下で解説する。
ストレーナー詰まりとエンジンブロー
これは結論を先に書く。ストレーナー詰まりとエンジンブローはほとんど関係が無いだろう。関係があるなら、トヨタやスバルは早々にリコールしているはずである。
ストレーナーの詰まりがほとんど問題にならないのは、ストレーナーの構造を考えれば理解できる。
ストレーナーは、壁面からもオイルを吸い込むことができる。下に断面の模式図を示す。
正確な寸法は不明だが、実際にストレーナーを観察すると、かなり奥の方にガスケットの破片が詰まっていた。下に実際の画像を示す。
多少の詰まりがあろうと、8割程度の面積は正常にエンジンオイルを吸えると推定できる。そのため、走行に支障が出るとは思えない。
以上から、ストレーナーの詰まりとエンジンブローに関係は殆どないと考えている。
オイルパンバッフルプレートについて:種類とおすすめ
では、オイルパンバッフルプレートの装着はエンジンブロー対策になるのだろうか?こちらもストレーナー清掃と同程度に多くのユーザーが実施している。
私見だが、オイルパンバッフルプレートの装着は対策になると考える。しかし、必ず付けなくては行けないパーツでは無いとも思っている。
そもそも、オイルパンバッフルプレートを装着しないと壊れる車を、メーカーが売り出すだろうか?売り出したとしても、3年以上問題を放置するだろうか?
この答えは、あくまでメーカーは、車が公道で法規制に則った走行をした場合に十分安全に走行できること、を基準にものづくりをしていることにある。つまり、GR86やBRZは公道を普通に走っていれば問題が出ないし、オイルパンバッフルプレートの装着など追加の対策は必要ないとメーカーは考えており、問題を放置し続けていると見られる。
公道を普通に走らなかったり、サーキット走行を考えるなら、オイルパンバッフルプレートの装着は必要だと私は考えている。事実、86/BRZの公認パーツにオイルパンバッフルプレートが含まれて締まっている。これは、公式にサーキットをトラブルなく走るには必需品であることを伝えているものとも捉えられる。
86/BRZカップの公式ホームページに載っているバッフルプレートだけでも、5種類(CUSCO、TRUST、STI、TOMEI、SYMS)存在する。各々形状が異なるが、果たしてどれが良いのだろうか?私はSYMSかTOMEIのものをおすすめする。理由は以下である
- オイルパンの底の方でオイルを保持できる
- (SYMSの場合)オイルパンごと変わり、オイル容量を増やせる
- 経年で脱落しそうな余計なものが付いていない
オイルの偏りを気にするなら、なるべく底の方で押さえつけるような構造が有利と考える。また、そもそものオイル容量を増やせれば偏った場合も余裕を持つことができる。
パーツがしっかりと固定できるため、脱落による問題も起こらないと考え、私はSYMSかTOMEIのものをおすすめしたい。ちなみに、私はTOMEIのものを付けている(安いから)。
まとめ:走りを楽しみたいならバッフルプレートは付けておいたほうが良い
以上、ストレーナーの詰まりはエンジンブローに関係なく、オイルの偏りも普通に公道を走るだけなら気にしなくても良いと考える理由について記事にした。一方、走りを楽しみたいならバッフルプレートを装着したほうが良く、おすすめはSYMSとTOMEIである理由を書いた。
取り除ける不安は早めに取り除いたほうが良いと私は考える。気になる方は、近くのショップに相談してはいかがだろうか。
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