再配線層(RDL)向け感光性材料とは?AI半導体を支える日本メーカーのシェアと技術動向

AI半導体の進化に不可欠な「再配線層(RDL)」と「感光性絶縁材料」について解説。旭化成やレゾナックなど、世界シェアを独占する日系メーカーの動向や、シリコンから有機インターポーザへの技術シフト、デファクトスタンダード争いの重要性を詳しく紹介します。 半導体
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本記事の概要

本記事で分かること

  • RDL(再配線層)の用途や形成方法
  • RDLが今後の半導体パッケージおける重要技術である理由
  • RDL用感光性絶縁材料の主要メーカー
  • RDL用感光性材料の今後
  • 半導体材料におけるデファクトスタンダードの重要性

本記事では、先端パッケージ技術の主役になるであろう、RDL(再配線層)について、主要材料である感光性絶縁材を中心に解説します。半導体パッケージにおける、感光性絶縁材の日系メーカーのシェアはほぼ100%であり、今後も強みを発揮していく分野と考えられます。

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対象読者

  • RDL(再配線層)について知りたい方
  • RDLに使われる材料について知りたい方
  • RDL用の材料メーカーを知りたい方
  • 半導体製造業における競争優位性の確保の仕方について知りたい方
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再配線層(RDL)とは?仕組みとAI半導体での役割

RDLの基本的な形成プロセス

先端半導体における再配線層(RDL、Redistribution Layer)とは、「インターポーザの微細な回路層」を指すことが多いです。例えばSiインターポーザなら、露光と現像、スパッタによるシード層(主にTi/Cu合金)の形成、配線のためのCuメッキ、そしてCMPを繰り返すことで形成されます。有機インターポーザでも、概ね同様の工程の繰り返しでRDLを形成します。

なお、このように、「溝」に対して銅配線を形成し、CMPで平坦化するプロセスを、ダマシン法と呼びます。

RDLの形成の概要。上記工程を繰り返すことで形成する。

野村総研のレポートによれば、市場規模の予測は2028年時点で700億円程度、成長率を示すCAGR = 8~12%程度で拡大すると見られており(引用1)、先端パッケージ材料の中でも特に成長著しく、期待を受けている分野といえます。

中でも、回路の露光と現像をするために使われる、感光性絶縁材は日系メーカーの独壇場であり、世界シェアのほぼ100%を誇っています。今回は、この感光性絶縁材に注目して解説をします。

  1. 令和4年度重要重要技術管理体制強化事業報告書

なぜ今、RDLが注目されるのか?(SiPとチップレット技術)

RDLはSiPの重要性が増したことで注目を集める様になりました。チップレットを組み合わせて半導体パッケージの高性能化を目指す、SiPはインターポーザが重要になります。チップレット同士、あるいは基板の他の半導体パッケージやチップを効率よく接続する技術の要がインターポーザであり、そのコア技術はRDLであるからです。

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RDL向け感光性絶縁材料の市場と主要メーカー

RDL向けのフォトレジストは、

  • 旭化成(製品名: パイメル)
  • レゾナック(HDマイクロシステムズ)
  • 東レ

レゾナック(関連会社のHDマイクロシステムズ含む)はRDL用感光材全般でNo.1のシェアを誇ります(引用3)。旭化成は、先端パッケージ向けのRDL用感光材の分野で世界シェアNo.1を誇ります(引用4)

その他、富士フイルム(引用5)や太陽ホールディングス(引用6)など、各社が先端パッケージ用のRDL用感光材のリリースをしており、開発が活発化しています。

3. AIと半導体材料イノベーション: グローバル市場への挑戦と展望
4. 「重点成長」事業説明会 持続的な企業価値向上に向けた事業ポートフォリオ変革
5. 感光性絶縁膜材料の新ブランド「ZEMATES(ゼマテス)™」誕生
次世代半導体パッケージング用材料「FPIM™シリーズ」 当社初、12 インチウエハー上で CD1.6μm の 3 層 RDL 形成に成功

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今後の技術トレンド:ウェハーからパネルレベル(PLP)へ

今後のRDLの技術は、以下の2つの大きなトレンドの元で進化すると見込まれています。

  • ハイエンド向けのSiインターポーザ
  • パネルレベルパッケージ向けの有機インターポーザ

特に、パネルレベルパッケージ向けの材料の上梓を各社急いでおり、デファクトスタンダードを獲得すべく競っています。パネルレベルにおいては、

  • Si→有機インターポーザへの本格的な切り替え
  • ウェハー(丸)→パネル(角型)への形状の大幅な変更

により、上記に対応する新製品が求められているため、各社に商機がある状態です。

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半導体材料においてデファクトスタンダートを獲得する重要性

半導体材料業界において、デファクトスタンダードを獲得するメリットは計り知れません。2番手以下は敗者と言っても過言ではないです。

半導体材料において、基本的に、半導体製造メーカー(ファブ、OSAT)は使用する材料を変更したがりません。理由はいくつかあり、

  • 量産効果の最大化のため、複数材料の使い分けのコストを避ける
  • 大量購入によるコスト削減と安定供給
  • 材料の使いこなしに長けている
  • 材料切り替えコスト自体の大きさ(顧客承認、社内検証、市場での不具合)

一度材料が採用(POR、Process of Record)され、量産に乗ると、変更されずに長年使われ続けることになります。そのため、2番手以降の材料メーカーは付け入る隙がなくなり、仮に顧客に採用されたとしても、1番手で参入したメーカーが受けていた、

  • 価格交渉力
  • 大量生産・大量販売によるコスト効果
  • 安定した需要
  • 継続的な顧客情報の取得とそれを元にした自社材の最適化

を望めなくなります。

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まとめ: RDL用感光性材は今後も日系の強さが目立ちそう

今回はRDL用の感光性絶縁材を中心に紹介しました。日系メーカーが依然として強みを発揮している分野であり、インターポーザの主役がウェハーからパネルに変化する流れの中で、日系各社がしのぎを削っている状況です。

半導体材料におけるデファクトスタンダードの奪取は各社必達の目標になっているはずなので、どこが一番乗りをするか?今後も目が離せません。

半導体業界のデファクトスタンダードを確立し他事例について、味の素のABFを題材に記事にしています。ぜひそちらも御覧ください。

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